漫画家になりたい! デビューへの道

漫画家になりたい! デビューへの道

デビューが実現に! 漫画家になるために資格や試験はありません。
漫画家になるにはいくつものルートがあります。

デビューの方法とは? デビューへ向け最も一般的なのが、それぞれのマンガ雑誌が行っている「新人賞」に応募し、新人賞を獲得することです。「●●賞以上でデビュー確約」なども一般的です。 ここで、デビューに至らない受賞でも、今後デビューの可能性があれば、担当編集者がついて、 それ以降の作品制作に対しアドバイスを受けることができます。(「担当付き」と言います)

次に一般的な方法は「持ち込み」です。 作品を出版社に送るのではなく、持参して直接編集者に見てもらい、その場でアドバイスをもらう方法です。 どのマンガ雑誌でも「持ち込み」は積極的に受け入れをしていて、雑誌の新人漫画家募集ページに申込電話番号が記載されています。
デビューセンターでは、「持ち込みツアー」なども企画・実施しています。

「新人賞」に投稿するか、作品を「持ち込む」ことで、認められたら「担当付き」になり、 ここからデビューに向けて具体的な作品作りが始まります。

また、レアなケースとして、連載作家が急病など何らかの理由で予定外に誌面が埋められなくなった場合、 「代原」といい、新人の作品を掲載する場合があります。これを「代原デビュー」といいます。

漫画家とは

「日本を代表する文化「マンガ」を生む、エンタテインメントな職業」 常に読者を楽しませようという「サービス精神」が旺盛な人に向いているエンタテインメントな職業です。 大手出版社から発売される週刊マンガ雑誌から、マニアックなジャンルに特化した隔月刊誌、さらに携帯電話やパソコンで読むデジタルマンガなど、活躍・表現の幅は現在も広がっています。 漫画家は出版社に社員として雇用されているのではなく、対等の立場でマンガ作品を制作するフリーのクリエーターです。中には専属契約を結ぶ雑誌もあります。

漫画家の魅力

「世界中人が読者、さまざまな感動を個人で発信できる唯一のエンタテインメント」 漫画制作には、出版社の担当編集者や、原稿制作のアシスタントなど、実際にはチームで制作するのですが、一番最初は「自分が描きたいもの・表現したいもの」が根底にあり、それを漫画という形にしていきます。 近年では、ヨーロッパ・北欧・アメリカ・アジア・中東など世界中で日本の漫画が翻訳され多くの読者を獲得しています。自宅で描いている漫画が世界中で楽しまれるのが、現在の日本漫画なのです。

漫画家の社会的役割

漫画はエンタテインメントなものです。読者を「楽しませる」のが最大の役目ですが、漫画というメディアの「プレゼンテーション力」つまり「文字では読まないのに、マンガだとつい読んでしまう」力を利用して、広告や教育に活用されています。 企業のパンフレットや政府の各省庁が発行している白書などの中に、漫画を使用しているものも多数あります。

人には聞けない用語集(一例)

ISBN (あいえすびーえぬ)
国際標準図書番号(International Standard Book Number)。
世界共通で、図書(書籍)を特定するための番号。 2006年までは10桁だったが、2007年から13桁になった。
日本などでは、ムックを除く雑誌にはISBNではなく雑誌コードを使用する。また、ウェブサイト・広告物・ゲームなどは、国際的にもISBNの対象外である。
http://www.isbn-center.jp/
アイレベル (あいれべる)
見ている人の目の高さのこと。目の高さによってアオリやフカンなどのアングルがある。
漫画の演出では多彩なアングルから被写体を描く。
アウトライン (あうとらいん)
(1)あらまし。あらすじ。大要。
(2)ベクター画像における図形データ。
青焼き (あおやき)
印刷直前のデータから出力した校正紙のこと。
製版の際、フィルムの青写真を取ることから青焼きと言う。
アオリ (あおり)
下から見上げたアングルのこと。画面に迫力が出るため、演出として効果的に使用される。
また、写真用語でのアオリは、カメラでレンズと感光面をずらして撮影することで、あおり撮影と言う。 こちらも下から見上げたアングルとなる。
アクト (あくと)
第一幕、第二幕などの幕のこと。脚本の中での大きな区切り。
あげる (あげる)
原稿を完成させること。
アタリ (あたり)
人物の配置や効果を描く場所、枠線などの大体の目安の点や線のこと。
アップ (あっぷ)
近くから見たアングルのこと。
アニメ塗り (あにめぬり)
画風の一種、着色表現方法。 色や影のグラデーションを単純化して表現する。 ベースの色と「影」と「ハイライト」を強調するのが特徴。
アミ (あみ)
網状になったもののこと。効果では網状に線を描くカケアミやナワアミなどがある。
RGB (あーるじーびー)
加法混色による光の3原色。赤、緑、青(レッド、グリーン、ブルー)の3色。 パソコンのモニタでカラーを再現するために使用される。
パソコン上での色の表現はRGBであるが、印刷する場合はCMYKで出力される。 そのため、モニタ上で見る色と印刷した色を全く同じにするのは難しい。 データをCMYKモードで作成したり、CMS(カラーマネージメントシステム)を使用する必要がある。
イリ (いり)
ペンによる線の描き始めのこと。
ウニフラ (うにふら)
フラッシュを用いたフキダシのこと。
エピソード (えぴそーど)
出来事。本筋の間にはさむ、本筋とは直接関係のない、短くて興味ある話。挿話。
エピローグ (えぴろーぐ)
物語の終わりの部分のこと。
演繹法 (えんえきほう)
物事を考えるさいに、最初の前提から次の前提を導き、それを繰り返して、最終的に必然的な結論を導く方法。
遠近法 (えんきんほう)
遠景・近景を目で見たのと同じような距離感が表現できるように描き分ける方法。視点から遠いほど小さく描くなどする。 広義にはその手法全般を指し、狭義には透視図法(パース)のことを指す。 遠くのものほどかすんで見えるという空気遠近法などもある。
演出 (えんしゅつ)
物事を表現するときに、それを効果的に見せること。 漫画ではコマ割りや効果などで演出する。
黄金比 (おうごんひ)
もっとも美しい比率. 古代ギリシア以来「神の比」とまで呼ばれた黄金比。 人間にとって最も安定し、美しい比率とされ、建築や美術的要素の一つとされる。 縦横2辺の長さの比が黄金比になっている長方形は、どんな長方形よりも美しく見えるといいます。近似値は1:1.618。
落ち (おち)
広義には物語の結末のこと。狭義には読者を笑わせる部分のこと。 ギャグにおいては、出落ち、2段落ち、3段落ち、同じボケを繰り返す天丼などがある。 落ちの前にはフリがあり、フリがあっても落ちが無い場合はスカシとなる。
落とす (おとす)
〆切に間に合わないこと。
オートフィクション (おーとふぃくしょん)
自伝のように作者と登場人物が同一人物である作品ジャンルのこと。文学用語。
オノマトペ (おのまとぺ)
音を字で表現すること。擬音語、擬声語、擬態語、擬情語などを総称して「オノマトペ」。漫画においては主に描き文字のこと。 手描きにより様々な雰囲気を表現できる。
オーバーレイ (おーばーれい)
貼り付けて使うシールのこと。カラートーンも同じ。
描き文字 (かきもじ)
擬音などを表した手描きの文字のこと。声喩、擬声語などとも言う。活字とは違った雰囲気が出る。
カケアミ (かけあみ)
網状に均一な長さの直線を並べる効果。3カケや4カケなどがある。薄い影やベタの替わりなどに用いる。
片おこし (かたおこし)
奇数ページから始まる作品のこと。偶数ページがメクリになる。
カットバック (かっとばっく)
カットバック(cutback)は、異なる場面のシーンを交互に描写することで演出効果を出す技法。演出効果を主にするものはクロスカッティング、 非常に短い間隔のものをフラッシュバックとも言う。
カブラペン (かぶらぺん)
つけペンのひとつ。均一な線が得意で、強弱をつけることも可能。
カミナリフラッシュ (かみなりふらっしゅ)
フラッシュのひとつ。ベタフラッシュをたくさん描き、それをホワイトでつなぐ。雷のように見える。
画面構成 (がめんこうせい)
ネーム(絵コンテ)を組み立てること。
烏口 (からすぐち)
ネジでペン先の間隔を調整することで線の太さを自由に変えられるペン。
カリカチュア (かりかちゅあ)
モチーフとなる人物を単に似せて描くのではなく、内面に潜む個性までも深く理解し、ユーモアたっぷりに表現していきます。
感嘆符 (かんたんふ)
!のこと。雨垂れ、ビックリマーク、エクスクラメーションマークとも言う。 強調を表し、命令や大きな声による文の最後に、終止符に換えて置かれる。 !!!と連続させたり、!?と疑問符を続けて書くこともある。
顔料インク (がんりょういんく)
一定の色に着色する物質を使ったインク。水や油に溶解しないものを指し、水や油に溶けるものは染料と呼ばれる。 無機顔料と有機顔料がある。
起承転結 (きしょうてんけつ)
物事の展開や物語の文章などにおける四段構成を表す概念。 「起」は物語の始まり、「承」は物語の進展、「転」は意外な展開、「結」はオチ。 物語の作り方の基本。
帰納法 (きのうほう)
物事を考えるさいに、いくつかの個別の事例から一般原則を導く方法。
脚本 (きゃくほん)
ストーリーをテキストにしたもの。台詞、ト書きだけで構成された設計図。台本、シナリオ。
キャプション (きゃぷしょん)
フキダシの中以外に書く文章のこと。
狂言回し (きょうげんまわし)
物語の全般に渡って、物語の進行に重要な役割を果たすキーパーソンのこと。
切り貼り (きりばり)
原稿用紙の失敗した部分を切りぬき、紙を貼って修正すること。
雲形定規 (くもがたじょうぎ)
様々な曲線を持った定規のこと。
クローム (くろーむ)
つけペンのひとつ。サジペンのツヤあり。
クロッキー (くろっきー)
人物の動きなどをおおまかに描くデッサンのこと。スケッチより素早く描くものを指し、速写とも言う。
劇中劇 (げきちゅうげき)
作品の中にある作品のこと。演出技法。 フィクションの漫画の中に登場するフィクションの漫画など。
ケヌキ合わせ (けぬきあわせ)
印刷の際、地の色に重ならないように色を乗せること。ノックアウトとも言う。色と色の重なる部分が無いようにする細かな作業。
ゲラ (げら)
校正のために印刷所で刷られた試し刷りのこと。
ケント紙 (けんとし)
硬質で表面の平滑な紙。
校正 (こうせい)
印刷や製版の際に、入稿指定通りに原稿が製版されているかを確認するもの。校正が完了することを校了と言う。印刷会社の裁量で印刷することを責了と言う。 色を確認することを色校と言う。
コピーライト (こぴーらいと)
著作権の意味。Copyright。(c)で略記される。
コマ (こま)
ひとつの枠に囲まれた漫画の一場面。強調したり読者の目を引きつけるコマのことを見せゴマという。 ストーリーのリズムに合わせてコマを割る作業をコマ割りと言う。
コミックスティック (こみっくすてぃっく)
スクリーントーンをこすって定着させるのに便利なアクリル製のヘラ。
コラージュ (こらーじゅ)
様々な素材を組み合わせて画面に貼りつける現代絵画技法。
コントラスト (こんとらすと )
明暗の差や色彩の対比。
サイエンスフィクション (さいえんすふぃくしょん)
科学的な空想にもとづいたフィクションの総称。ScienceFiction、略してSF。
サイレント (さいれんと)
音のない状態。セリフやナレーションの無い状態。
サジペン (さじぺん)
つけペンのひとつ。クロームとニュームの2種類がある。
サムネイル (さむねいる)
サムネイル(Thumbnail)は、画像などを表示する際に視認性を高めるために縮小させた見本のこと。
仕上げ (しあげ)
原稿制作におけるゴムかけ、ベタ、ホワイト、トーン貼りなどの作業のこと。
CMYK (しーえむわいけー)
減法混色の表現方法。絵の具の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローにブラック(Key plate)を加えた4色。プロセスカラー、掛け合わせとも言う。
パソコンでは、例えば白は、4色の最小値0、0、0、0で表される。濃い黒を表現するために黒と他の色を掛け合わせたものをリッチブラックと言う。
シノプシス (しのぷしす)
梗概(こうがい)。演劇・映画などのあらすじ。
Gペン (じーぺん)
つけペンのひとつ。強弱をつけやすく、ペン入れの主役として使用される。Gペンで描いた線は漫画独特の雰囲気を持つ。
〆切 (しめきり)
原稿の入稿期限。〆切に間に合わないことを落とすと言う。
写真植字 (しゃしんしょくじ)
版下制作の際、写真植字機によって、セリフなどに指定した文字を一字ずつ印画紙に印字し、板を作る作業のこと。略して写植。
集中線 (しゅうちゅうせん)
スピード感や迫力を出す効果のひとつ。スピード線を放射状にしたもの。 キャラのバックに演出としてよく使用する。
叙事詩 (じょじし)
エピソードを記述する形の詩、またはそのような形態の文学のこと。文学用語。 ファンタジーにおいても用いられる。
序破急 (じょはきゅう)
徐々に物語のテンポを加速させることを言う。
スクリーントーン (すくりーんとーん)
透明なシートの上にドット、アミ、罫線、点描、柄、グラデーションなどが印刷されており、漫画原稿に貼り付けて用いる。
モノクロ原稿において、微妙な陰影や擬似的な色彩を効果的に表現することが可能になる。
スクールペン (すくーるぺん)
つけペンのひとつ。均一な線を引くことができる。
スケッチ (すけっち)
写生や下書きのこと。
捨てゴマ (すてごま)
あまり深い意味のないコマのこと。全体の演出として使用する。
ストーリー構成 (すとーりーこうせい)
ストーリーを組み立てること。
ストーリー漫画 (すとーりーまんが)
ストーリー性を重視した漫画のこと。ギャグ漫画と漫画ジャンルを大きく2分している。 ギャグ漫画と比べてページ数が多く、読み切りではなく、物語が連続して連載される場合が多い。
ストップモーション (すとっぷもーしょん)
動きや時間が止まっているように見せる演出技法。
砂消しゴム (すなけしごむ)
研磨砂を配合した消しゴム。スクリーントーンを削ることが出来る。
スパッタリング (すぱったりんぐ)
インクをつけたブラシを網にこすって、インクを細かく飛ばす技法。血しぶきや夜の星などに使用する。
スピード線 (すぴーどせん)
スピード感や迫力を出す効果のひとつ。
スプラッター (すぷらったー)
殺害シーンにおける生々しい描写に特徴のある作品のこと。映画用語。 漫画でも大げさな血しぶきなどの演出は多用される。
製本 (せいほん)
本を制作する工程。版下を面付けし、印刷、折り、綴じなどの工程を行う。
セリフ (せりふ)
キャラクターが言う言葉。台詞。漫画では主にフキダシの中に描かれる。
セル (せる)
セルアニメーションに使う透明な薄い板のこと。
大団円 (だいだんえん)
最終回の場面のこと。ハッピーエンドの場合を指す。
第四の壁 (だいよんのかべ)
フィクションの世界と、読者の現実世界との境界のこと。演出技法。 フィクションの中のキャラクター自身がフィクションであることを自覚した場合、 またはフィクションの中のキャラクターが読者に語りかける場合などを、第四の壁を破るという。
タチオトシ (たちおとし)
原稿の下側にタチキリをすること。
タチキリ (たちきり)
原稿用紙の外側まで描くこと。より大きなコマをとることができる。 印刷範囲いっぱいまで印刷されるため、塗り残しのが出ないよう、紙の端までしっかりと描く必要がある。 セリフはタチキリ位置に描くことは避ける。
タッチ (たっち)
強弱をつけてペン入れをすること。イリとヌキがうまくいくとタッチがつく。
著作権 (ちょさくけん)
著作物を創作したことにより著作者に発生する権利。
つかみ (つかみ)
物語の一番初めの導入部分のこと。読者をつかむようなインパクトが必要となる。
束見本 (つかみほん)
雑誌などで、紙質やサイズを確認するために、 実際の仕上がりと同じ材質、ページ数で製本した見本のこと。 中身は白紙。
つけペン (つけぺん)
ペン先にインクを付けながら描画するペンのこと。ペン先をペン軸につけて使用する。 Gペン、カブラペン、丸ペンなどがあり、用途によって使い分ける。 様々なタッチを表現でき、独特の雰囲気を出せるため、漫画制作では一般的に使用される。コミックペンとも言う。
ツヤベタ (つやべた)
反射光を表現するベタのこと。全体をベタで塗ってから、ホワイトで白く描く。 大まかな部分は墨汁や面相筆を使用し、細かい部分はGペンなどで表現する。
ディストピア (でぃすとぴあ)
ディストピア(Dystopia)は、理想郷ユートピアの正反対の社会のこと。 基本的な人権を抑圧するという社会として描かれることが多い。作品ジャンル。
デザインカッター (でざいんかったー)
ペン型のカッター。トーンを削る時などに使用する。30度刃と45度刃がある。
デフォルメ (でふぉるめ)
わざとデッサンを崩して描くこと。
テーマ (てーま)
作品をとおして、作者が訴えたいこと。問題に対する見解や結論。 作者が一番描きたいところ、読者に読ませたいところでもある。 作品の基本コンセプトとなる。
点描 (てんびょう)
効果のひとつ。点またはごく軽いタッチで描く画法。Gペンでも綺麗に描くことができる。
ト書き (とかき)
脚本において、セリフ以外の部分のこと。
トビラ (とびら)
作品タイトルの入るページのこと。トビラに描く絵は扉絵と言う。
トランサー (とらんさー)
スクリーントーンをこする道具。
トリックスター (とりっくすたー)
敵か味方かも分からない謎めいたキャラクターのこと。
トリムスケール (とりむすけーる)
複合型の定規。分度器、コンパス、雲形定規、波線定規などがセットになっている。
トレーシングペーパー (とれーしんぐぺーぱー)
非常に薄い紙。トレースをするときや、白ヌキの文字を指定するときに使用する。略してトレペ。
トレス台 (とれすだい)
蛍光灯が入っている台。下絵や背景などを原稿にトレースする際に使用する。 LEDによる薄型のものもある。トレース台、トレースボックス、ライトボックスとも。
どんでん返し (どんでんがえし)
読者の予想を大きく裏切ったり、ストーリーを大きく覆したりするような結末のこと。オチの典型のひとつ。
トンボ (とんぼ)
印刷範囲の目安となる印のこと。トリムスケールとも言う。 漫画専用の原稿用紙にはあらかじめ印刷されている。 デジタルデータの場合、CMYK各版にトンボが必要。
ナレーター (なれーたー)
物語の進行を説明する語り手。語られたものはナレーション。 一人称の語り手、三人称の語り手など様々な場合がある。 語り手の偏見などからナレーションがゆがむことを、信頼できない語り手と言う。不安をあおる演出となる。
ナワアミ (なわあみ)
カケアミのひとつ。アミで円を作ったりうねらせたりしたもの。
日本字ペン (にほんじぺん)
つけペンのひとつ。線の強弱がつけやすい、固めのペン先。
ニューム (にゅーむ)
つけペンのひとつ。サジペンのツヤ消し。
入稿 (にゅうこう)
原稿を印刷所に渡すこと。
人称 (にんしょう)
名詞の指事対象が話し手、聞き手、第三者のいずれであるかを区別するもの。 一人称は、私、僕、俺。 二人称は、君、貴方、お前、てめえ、貴様。 三人称は、彼、彼女、あいつ、これ、あれ。
ヌキ (ぬき)
ペンでの線の描きおわりのこと。反対はイリ。
ネーム (ねーむ)
コマ割、セリフなどを簡単に描くこと。ネームで構成、演出を考える。
ネタ (ねた)
エピソードの元。アイディアとも言う。
ノンブル (のんぶる)
本のページ番号。または、原稿の通し番号。
ハコ書き (はこがき)
ストーリーをふくらませてイベントを整理する方法。ネームの前段階。
パース (ぱーす)
パースペクティブ(Perspective)の略。透視図法とも言う。遠近法のひとつ。 水平線と消失点を用いて作図する。図法として一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法などがある。
バストアップ (ばすとあっぷ)
人物の胸から上のアップのこと。
ヒキ (ひき)
読者を引きつけることから、物語が盛り上がったところで「つづく」となることや、右ページの最後のコマのこと。 また、アングルでロングの意味でもある。
フィクション (ふぃくしょん)
フィクション(Fiction)は、架空の出来事、人物、舞台を設定した創作のこと。 フィクションの作品には必ず「この作品はフィクションです」といった注意書きがされる。 反対に実際にあった出来事をノンフィクションと言う。
フカン (ふかん)
上から見下ろしたアングルのこと。フカン(俯瞰)よりさらに高いところから見た図は鳥瞰と言う。
フキダシ (ふきだし)
漫画の中でセリフを入れるワクのこと。吹き出し、スピーチバルーンとも言う。 フキダシの形は、一般的には1番が、大きな声を表現する場合は2番が、回想などは3番が、その他の場合は4番などが使用される。
伏線 (ふくせん)
物語の中で、唐突なシーンにならないよう、前のシーンでさりげなくフォローするもの。 落ちがどんでん返しの場合にも、落ちを予測し得る伏線を張るなどする。
袋文字 (ふくろもじ)
黒い文字に白いフチが付いているような文字のこと。
ぶち抜き (ぶちぬき)
コマをはみ出して描かれた絵のこと。
ぶら下がり (ぶらさがり)
コマの下側にあるフキダシ。読みにくく、アンバランスだが、演出に使用する場合もある。
フラッシュ (ふらっしゅ)
緊迫感を出す時などに使う効果のひとつ。ベタフラッシュ、カミナリフラッシュなどがある。
プロット (ぷろっと)
物語の筋立て。あらすじやキャラクター、場面設定、タイトル、エピソードを考える作業のこと。筋書きとも言う。 プロットの段階で担当編集者と打ち合わせを行ったりする。
フローティングディスク (ふろーてぃんぐでぃすく)
インクがにじまなくするために定規の裏に貼りつけるもの。
プロローグ (ぷろろーぐ)
物語の始まりの部分のこと。イントロダクションとも言う。
ベタ (べた)
黒く塗りつぶすこと。ベタをする部分に、印で×を描いたりする。
ベタフラッシュ (べたふらっしゅ)
フラッシュのひとつ。略してベタフラ。
ペン入れ (ぺんいれ)
原稿用紙に下書の上からペンで正書を行うこと。一般的にはGペンなどで描きこんでいく、漫画制作の中心的な作業。 下書きをスキャナで取り込み、パソコン上でペン入れを行うこともできるようになってきた。
ペンネーム (ぺんねーむ)
漫画家の偽名のこと(PN)。
補正 (ほせい)
画像の明るさやコントラストの調整、色調補正、スキャンした画像に付いた汚れの除去作業などのこと。
マスキングテープ (ますきんぐてーぷ)
色を塗らない部分などを保護するためのテープ。
マクガフィン (まくがふぃん)
マクガフィン(MacGuffin)は、演出技法のひとつ。 作品の登場人物は非常に重要なものだと考えているにも関わらず、読者にはほとんど説明されなかったり、 説明されたとしても価値が疑わしいような「なにか」のことである。 実は特に何も意味のないもの。
マド (まど)
絵やトーンの中の一部分にスペースを作ること。色をつけると色窓になる。
丸ペン (まるぺん)
つけペンのひとつ。丸い形が特徴。極細線が描ける。細かいディテールを描く際に使用する。
漫画物理学 (まんがぶつりがく)
漫画において、通常の物理法則が、ユーモラスな方向で無視されるという事実を、冗談めかして指す言葉。
漫画飯 (まんがめし)
漫画の中で登場した料理のこと。それを実際に作ること。
漫符 (まんぷ)
漫画特有の表現記号。簡略化された汗マーク、怒りマークなど。
水張り (みずはり)
着色する時に、シワをなくしたり曲がるのを防ぐために紙を水で濡らして伸ばして、パネルに貼ること。
見開き (みひらき)
本を開いた状態で、両ページにまたがって描くこと。偶数ページから始まる作品のことを見開きおこしと言う。
ミリペン (みりぺん)
先端の太さが表示されているマーカーもしくはサインペンのこと。0.05mm~3mm位のものがある。 硬いプラスチック製のペン先を用いているため、フェルト製のペン先を用いるサインペンと異なり、 一定の太さでより細い線を描くことができる。 鳥山明は初期のころ、ミリペンだけで原稿をあげたことがある
メクリ (めくり)
左頁の最後のコマのこと。読者にページをめくらせるための演出が必要となる。
メタフィクション (めたふぃくしょん)
フィクション中のジャンルのひとつ。 フィクションであることを意図的に読者に気付かせる手法。 漫画の中のキャラクターがストーリーに外の視点から突っ込みを入れるなど。
メンディングテープ (めんでぃんぐてーぷ)
貼るとほとんど見えなくなるテープ。補修やマスキングなどに使う。
モアレ (もあれ)
トーンの重なり合いによって生じる模様。干渉縞とも言う。 印刷すると汚くなる。網トーンは 規則正しく並ぶ点の配列で出来ていて、 上から別のトーンを貼った場合、または印刷時に出力装置によって点の配列が乱れた場合にモアレとなる。
持ち込み (もちこみ)
出版社へ直接自分の漫画を持って見せに行くこと。最も一般的な売り込み方法。
モノクロ (ものくろ)
白黒のこと。グレースケールとも言う。
モノローグ (ものろーぐ)
モノローグ(monologue)は、登場人物が心の中に思っていることを表する文字。独白とも言う。
モブ (もぶ)
群集の意味。ひとつのコマにキャラクターが沢山描かれること。モブシーンは群集場面。
モンタージュ (もんたーじゅ)
モンタージュ(montage)は、複数の場面を組み合わせることで、別の新しい意味を表現する技法のこと。映像用語。 フランス語で(機械の)組み立てという意味。
読み切り (よみきり)
連載ではなく1回で終わる作品のこと。 デビュー当初は読み切り掲載し、人気を得ると連載へ移行する流れが多い。 短編作品、短編集(オムニバス)となる。
4コマ漫画 (よんこままんが)
コマで構成される漫画。起承転結の典型。4コマ漫画専用雑誌や新聞紙などに掲載される。
ラフプロット (らふぷろっと)
簡単なあらすじを考えること。プロットの前段階。
リトマス法 (りとますほう)
キャラクターの内面を描く方法。 キャラクターに対し「他のキャラや、小道具、エピソード、事情、天候、天災など」を使って、 何らかの働き掛けをすることによって、そのキャラクターの「リアクション」を引き出し、 感情などの内面を表面化させること。リトマス試験紙の名前に由来する。
ルビ (るび)
漢字に対するふりがなのこと。セリフよりも小さな文字で横に配置する。 「宇宙」と書いて「そら」とルビを振るなど、本来の読み方以外を示す場合もある。
レイヤー (れいやー)
画像処理ソフトにある機能。 画像をセル画のような多層構造として加工出来る。主線を加工することなく着色することができる。 レイヤーマスク機能では高品質な画像合成が可能。
レトロフューチャー (れとろふゅーちゃー)
懐古的な未来のこと。SFのサブジャンルのひとつ。
ロング (ろんぐ)
遠くから見たアングルのこと。対義語はアップ。
枠 (わく)
コマを囲む線のこと。枠線。また、雑誌の場合、掲載できる漫画作品の数を指す。